主なしくみとして、ガス圧縮式、ガス吸収式、電子式を紹介します。
●ガス圧縮式 (一般的な家庭用冷蔵庫に使われている方式)
気化熱・凝縮熱によって冷やします。
物質が固体、液体、気体と状態を変えるとき(物質の三態変化)、熱を発生したり周囲から吸収したりします。
たとえば、注射のときにアルコールで消毒するとヒヤッとする感じがするのは、腕に塗られたアルコール(液体)が蒸発して気体になるときに、腕から気化熱を奪うからです。
冷蔵庫は、物質の状態変化による吸熱を利用して冷却しています。
そして…
冷蔵庫を冷やすには、冷媒の状態変化を利用しています。
冷蔵庫の冷凍サイクルには、冷媒と呼ばれる気体、液体の状態を繰り返して、気化熱、凝縮熱を運ぶ物質が使われています。
<冷凍サイクル>
(1)冷媒をコンプレッサーで圧縮すると高温高圧の気体(ガス)に変化します。
この高温高圧のガスをコンデンサーで放熱させると、液体に状態変化します。
(2)液体になった冷媒は、細い管(キャピラリチューブ)を通りながら減圧され、再び冷却器で気化してガスに変化します。
このガスへの状態変化のときに、周囲から熱を奪いますので、冷却器に風をあてると非常に低温の冷気ができます。
(3)役目を終えた冷媒は、サクションパイプと呼ばれる管を通り、コンプレッサーへ戻って再び圧縮されます。
* 冷却器を2つ持つ「ツイン冷却」タイプもあります。
●ガス吸収式 (国産1号機の冷蔵庫に使われた方式)
圧縮式と同様に冷媒の状態変化(気化熱)を利用して冷却します。
冷凍サイクルでヒーターを利用します。
<冷凍サイクル>
(1)発生器①で水とアンモニアの混合液を加熱し、発生した混合蒸発ガスを分離器②に導きます。
(2)分離器②で混合ガスは自然冷却によって、水蒸気は水になって吸収器⑤に移動し、アンモニアはガスのままでコンデンサー③に向かいます。
(3)コンデンサー③でアンモニアは放熱によって液体に変化します。
(4)冷却器④で液体になったアンモニアは再び気化してガスに変化し、このときに周囲から熱を奪います。
(5)吸収器⑤でアンモニアガスは、水に溶け再び発生器に戻ります。
●電子式
上記の2方式と違って、冷媒を用いません。
2つの異なる金属を接触させて、これに直流電流を通すことによって生じる「ペルチェ効果」を利用して温度を下げます。
装置が小さい、騒音がないなどの利点はありますが、冷却効率は低いので小型の自動車用冷蔵庫などに利用されています。
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